高度な動物医療を提供しようと決めた時に出会った動物用MRI。Vet-MRは農水省の認可も受けていて安心感もあります。

ファミリー動物クリニック ( 兵庫県神戸市)

瀬戸 剛至

導入MRI
Vet-MR Grande

MRIほか高度な医療機器が揃う、24時間対応の動物病院

貴院は専門性の高さに定評があるとうかがっています。特徴を教えていただけますか。

当院は「可能な限り的確な診断を行い、動物目線で治療を考え、動物が生きていて幸せと感じる時間を飼い主とともに過ごしてほしい」という理念のもと、小型~大型犬および猫を対象に、神経病を中心とした24時間対応の高度な動物医療を提供しています。MRIをはじめ、県内および近県では珍しい脳波計や筋電図なども設置しています。年間の来院数は1万件ほどで、1日に数件は新患もあります。

Vet-MRは、2021年の院長就任と同時に導入されたそうですね。

かつて神経病専門の動物病院に勤めていた影響もあり、開業するのであればMRIはぜひ導入したいと思っていました。開業から2年ほど前、ある学会でVet-MRのブースを見かけ、そこで初めて動物用MRIの存在を知りました。小型で設置スペースも少なくて済むこと、永久磁石で維持費も抑えられることに魅力を感じたほか、動物用として農水省の認可を受けていることにも安心感を持ちました。

MRIを導入する動物病院は、全国でもまだ珍しいと思います。

正直な話、動物医療の分野では、今でも多くが医師の経験と感覚に基づいた診断・治療を行っています。もちろん、大半はそれで回復に向かうのですが、一方で、誤った診断や治療に繋がるケースがあるのも事実です。私としては、そうしたリスクをできるだけ減らすためにも、高度な機器を用いた検査を必要に応じて積極的に行いたいと考えています。

診断・治療の精度の向上ですね。

特に終末期においては、飼い主さんは、大切な家族の治療を継続するか否かという、辛く重い決断をしなければいけません。治療をしないという選択をするにしても、獣医師は現状をできるだけ正確に飼い主さんに伝え、理解、納得していただく必要があります。そういった意味では、MRIは飼い主さんが大切な家族と向き合い、先へ進むための重要なツールといえるかもしれません。

手術室と併設されているため術中のMRIも可能

MRIは月にどのぐらい撮影していますか。

およそ月に10~15件です。他施設からの依頼や、セカンドオピニオンを求めて来院される方も多いです。MRIは神経病の検査に用いているため緊急性が高いケースがほとんどで、夜中に撮ることもあります。特に状態が悪い動物に対しては、麻酔を用いない方法でMRI撮影を行います。

MRI室が手術室と併設されているのも大きなポイントですね。

そうですね。そのおかげで、術前だけでなく術中にも撮影することが可能です。

脳腫瘍摘出手術では、後遺症を残さないギリギリのラインで腫瘍を切除して脳への圧迫を取り除きます。重要な血管を傷つけたり血管走行を見誤ったりすると、術中および術後の死亡リスクが高まるため、手術顕微鏡を用いて血管走行をみながら、6~12時間かけて慎重に行います。脳組織は柔らかく切除により形が変わるのですが、術中にMRIを実施することで、脳の状態変化を随時確認しながら、切除範囲や腫瘍の境界をチェックできています。

Vet-MRの画質についてはいかがですか。

画質は綺麗で、臨床でも問題なく使えるレベルです。コストパフォーマンスの面でも、とても満足しています。希望をいえば、大型犬の胸椎を撮ることができるような、もう少し大きなコイルがあるといいですね。

精度の高い診断と手術で、寝たきりから劇的に回復

Vet-MRの活用で印象に残っているケースを教えてください。

他施設からの紹介で来院した猫(スコティッシュフォールド、12歳、雌)の事例でしょうか。当初は歩行障害が発現し関節炎が疑われていましたが、その後、症状が徐々に悪化し、紹介をいただきました。来院時は、自発呼吸はできていましたが、意識レベルが低下しており、寝たきりの状態でした。

術前の様子

そこでMRIを実施したところ、小脳のほとんどが腫瘍で圧迫されていました。

脳腫瘍診断画像(MRI)

小脳の下部には生命維持活動に必要な脳幹があるため、命に関わると判断し、緊急で脳腫瘍摘出手術を実施、病理検査で髄膜腫と診断しました。

腫瘍は大きな静脈に癒着しており、完全摘出は困難でした。もし、無理に完全摘出を行うと術後脳梗塞になり死亡していたと思います。そのため、術中所見より良性の髄膜腫と判断し、あえて難しい場所にある腫瘍を摘出せずに一部残しました。

脳腫瘍摘出後画像(MRI)

腫瘍は良性でしたので、意識レベルも回復し、術後1週間で動き回れるようになり、1か月後には毛並みも回復しました。3か月後のMRIも再発なく、押されていた正常な脳も術後より元の形に戻っています。現在は、かかりつけ医で経過観察を行っています。

脳腫瘍摘出1週間後の様子
脳腫瘍摘出1か月後の様子
脳腫瘍摘出3か月後画像(MRI)

劇的な変化です。MRIでの発見により命が救われたケースですね。

ただ、一方でMRIはあくまで“道具”だと思っています。臨床で重要なのは、読影も含めた診断能力と手術の技術です。当院も、誤診のリスクを極力防ぐために、他施設の読影医の意見も取り入れながら総合的な診断をするようにしています。脳神経外科の手術も、高度な技術が求められ、執刀医の腕によって死亡リスクに差があるのが現状です。当院では、執刀医と麻酔科医を呼び、脳神経外科チームを結成して治療にあたっています。私は、執刀医の第一助手と術前術後の管理を主にしています。手術中に起こることに関して、臨機応変に対応できる執刀医だからこそ、良好な手術成績を維持できているのだと思います。

“道具”をしっかりと活かせる体制づくりということですね。それは、これからMRIの導入を検討している施設へのメッセージにもなりますね。

MRIを導入したいけれども、ご自身が神経科領域の専門でないという先生は、やはり専門知識を持つ獣医師や執刀医を雇用する、または連携するなどして、診断、治療の体制を構築していただくのがよいと思います。

今後の展望はありますか。

2026年を目途に移転をする予定で準備を進めています。今よりも敷地が広くなるので、ドッグランなどの設備をさらに充実させ、リハビリテーションも積極的に行う予定です。脳腫瘍や神経病に悩む動物を一頭でも救うため、これからも県内一の脳神経外科医チームで水準の高い動物医療を提供したいと思います。

導入製品

Vet-MR Grande

農林水産省承認の
動物用オープンMRI

Vet-MR Grande

※本レポートの記載内容は、製品の仕様値として保証するものではありません。

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